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『素粒子』(そりゅうし、原題:''Les Particules élémentaires'')は、フランスの作家ミシェル・ウエルベックが1998年に発表した小説。 ==概要== 作者のミシェル・ウエルベックは1990年代から随筆や詩集などを発表し、一部で支持を集めていたが、小説第1作の『』を発表した4年後、そこで提起した問題をさらに掘り下げる形で第2作の『素粒子』を発表した。本作は優生思想・人種差別といったデリケートな話題に激しい語り口で言及していることもあって、激しい賛同と批判の双方を浴び、現在では30カ国語以上に翻訳されている。〔単行本版「訳者あとがき」より。〕 本作はフランスの文学賞であるゴンクール賞の候補となったが最終選考で落選し、そのこと自体も大きく話題となった〔堀江敏幸「宴のあと――一九九八年秋」『新潮』新潮社、1999年1月号、242頁。〕(ウェルベックは後の2010年に別の作品でゴンクール賞を受賞している)。 初版では作中に登場するキャンプ場「変革の場」が、そのモデルとなった実在する施設である「可能性のスペース」と実名で表記されていたため、同施設が書籍の回収を求める訴訟を起こす騒動となった。最終的にはウエルベック側が勝訴したものの、2版以降では名称と場所の設定が変更されている。〔〔野崎歓『フランス小説の扉』白水社、2010年、244頁。ISBN 978-4560721193。〕 主人公の2人の兄弟は捨て子とされているが、これには作者の自己投影の可能性が指摘されている〔『フランス小説の扉』248頁。〕。 2006年にはドイツで映画化されている。素粒子 (映画) を参照。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「素粒子 (小説)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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